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00.07.30 経営戦略考 積水化学工業 住宅ネット販売軌道に
上記タイトルの「経営戦略考コメント」の中で、ユナイテッドホームズが引用されています。

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■■■ 【日刊】経営戦略考
■■■      日経記事から毎日学ぶ経営戦略の原理原則
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━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2001/7/30(通巻569号)━
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■■■   積水化学工業 住宅ネット販売軌道に
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━━━━━━━━━━━━━ 日経産業新聞 2001.7.30【20面】━
◆積水化学工業が2000年4月に開始した戸建て住宅業界初の本格的
なインターネットによる住宅販売が軌道に乗り始めた。
◆発売以来、月間販売棟数は一けたの月が続いていたが、1月以降
は10棟以上で推移。2001年度は前年度比4倍の200棟を目指す。
◆営業員は契約まで一度も施主と会わない方針だったのを3−4回
は会うように改めるなど販売モデルを確立しつつある。
◆「当初の目標だった年間千棟の販売も2−3年後には実現できる
可能性が出てきた」と高関哲也アットマークハイム企画部長は手ご
たえを感じている。
◆同社のネット販売は顧客が専用ホームページで会員登録し、プラ
ンや価格の一覧表をチェック。興味があれば同社スタッフと電子メー
ルで商談を進める。電子メールのやり取りは平均で20−30回、多い
顧客で100回前後になるという。
◆実績で見れば積水化学の住宅のネット販売は決して成功とは言え
ない。事業開始時の年間目標千棟に対し2000年度の販売棟数は48棟
にとどまった。
◆開始半年後、思うように販売が伸びない中、不満点を尋ねるアン
ケート調査を実施。その結果、最も多かったのは「早く営業担当者
に会いたい」という答え。「積水化学のブランドがあれば、営業員
に全く会わなくても施主は安心して購入してくれると思っていた」
と高関部長は頭をかく。
◆そこで、敷地調査の報告や最終プラン確定の際などに会うよう改
めた。もっとも、3−4回という商談の回数は「通常の3分の1か
ら4分の1程度に過ぎない」(高関部長)。
◆さらにネット販売の担当部署であるアットマークハイム企画部の
人員や営業拠点を徐々に拡大。購入者による紹介客も増え、販売棟
数は増加してきた。
◆同社が住宅のネット販売に乗り出したのは、戸建て住宅会社に共
通する高コスト体質を是正するため。ネット販売専用の住宅「アッ
トマークハイム」の価格は3.3平方メートル当たり45万円からと同
社の通常住宅に比べ1−2割安い。低価格を実現するためモデルハ
ウスは建てず、営業員も現在、全国で14人しかいない。
◆一棟当たり維持費が平均で月間100万円といわれるモデルハウス
や営業員の人海戦術による営業手法は、戸建て住宅各社の足を引っ
張っている。住宅展示場以外の営業手法の確立は戸建て住宅各社共
通の課題だ。
◆積水化学に続いて大手のほとんどは電子メールによる販売部隊を
設置した。今後、積水化学の取り組みがさらに拡大すれば、戸建て
業界でネット販売が本格的に定着する可能性もありそうだ。

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■■■   納得のいかないコストは負担したくない
■■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 経営戦略考コメント ━

●インターネットを使って住宅を低コストで販売する。記事にある
ように、展示場のモデルハウスや人的営業に頼った販売は、価格に
コストが転嫁されることもあり、あまり合理的とは言えない。
●展示場にでも行き、名前を記帳したら最後、いろいろな住宅会社
から何人もの営業員が入れ替わり立ち代り訪問してきて往生した、
という話も聞く。
●結局、営業員の熱意にほだされて、ということで住宅購入に至っ
たりするが、本当にそれでよいのだろうか。自分のペースで納得の
いく住まい選びを望むのなら、インターネットを使う方が賢明では
ないかと思う。
●かと言って、住宅のような高額商品を購入するのに、果たしてネッ
ト販売はなじむのかどうか。住宅のネット販売に乗り出した、とい
うニュースはしばしば聞くが、うまく行っているのか行っていない
のか、今一つはっきりとしていなかった。
●積水ハウスの和田勇社長に至っては「住宅はネットでは絶対売れ
ない。顧客に長年住んでもらえる住宅を販売するには、いつの時代
も泥臭い営業が欠かせないからだ。リフォームの営業でネットを活
用するのは有効だが、住宅そのもののネット販売は十年先になって
も定着していないだろう」と言い切っている。
(2001.7.5付け日経産業新聞18面)
●今回の記事は、そうした住宅のネット販売の実態を垣間見ること
ができるので、非常に興味深い。年間千棟という当初の目標には遠
く及ばないが、年間200棟を現実に目指せるレベルになり、「軌道
に乗り始めた」という。
●ネット販売が本格的に定着するとはまだ言えない状況にはあるが、
「いつの時代も泥臭い営業が欠かせない」という「仮説」は固定観
念に過ぎないかも知れない。現在の住宅販売(購入)慣行に少なか
らず疑問を抱いている層は確実に存在し、ネット販売はそれを顕在
化させているとも考えられる。
●積水化学の住宅ネット販売の場合、高コストのモデルハウスを持
たず、顧客への訪問回数も抑制する。プランを限定しており、原則
として統一価格だ。今まであまり売れていなかったのは、莫大な宣
伝費をかけていないため、認知度が低かったためだ。
●プランが限定されていることは不便なように思うかも知れないが、
自由設計と称し、営業員とのやりとりで素人考えの修正を加えるよ
りは、設計の完成度を維持した家を建てることができる。プラン限
定が顧客満足度の低下に直結するわけではない。
●日米の住宅価格差が言われるが、それも住宅の購買慣習によると
ころが大きい。アメリカでは、プランブックと呼ばれる雑誌から好
きな住宅を選び、その図面を購入して工務店に持ち込み、家を建て
る。
●その方式を取り入れて日本で輸入住宅を販売している会社もある。
現状、まだ大きく成功しているとは言えないようだが、日本の住宅
販売慣行へのアンチテーゼとして、新しい家づくりのスタイルを提
案している。( http://www.get-united.com/ )
●住宅のネット販売では、営業コスト分、住宅価格が安くなる。そ
れ以上に、自分のペースで納得のいく家づくりができることを望む
層は確実に存在する。
●今の世の中、ただでさえ外食産業をはじめとして価格破壊が進ん
でいる。過剰な営業コストのように、必ずしも顧客が納得のいかな
いコストが価格に転嫁されている産業の場合、変革の余地はあるだ
ろう。
※アットマークハイム → http://www.atmarkheim.com/index.html
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■■■ 今日の教訓 ■■■
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あなたの企業の提供する商品のコストのうち、営業にかかるコスト
はどれくらいだろう。その営業の方法は、真に顧客満足につながっ
ているだろうか。そうでないとしたら、変革する(される)余地が
ある。


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